人生100年社会のグランドデザイン(Ver.1.0)

はじめに

人生100年社会デザイン財団では、一人ひとりが納得して自分の人生を決定することができる社会、すなわち生き生きした100年社会の実現を目指すべく、学び社会の実現に向けて人生100年社会のグランドデザインを描いてまいります。デザインフォーラム、地域実装等財団事業を通して、グランドデザインを随時更新してまいります。

Ver.1.0 「良く生きる」とはどういう人間社会のあり方になりうるのか

第1期のデザインフォーラムではこのテーマを巡って議論と対話が行われてきました。

「幸せとは」といった問いに対し、従来の消費社会では物の豊かさや物を持つことが一つの指標とされてきましたが、心の豊かさこそが人の幸せ、そして「良く生きる」に繋がるのではないのでしょうか。

人生100年社会のグランドデザインver.1.0では第1期デザインフォーラムで提起されたキーワードをもとに以下のようにまとめました:

良く生きる×関係性

キーワード:心の豊かさ

内閣府の世論調査では、「モノの豊かさと心の豊かさ、どっちを求めますか」と聞いている調査では、1975年の時点で、「モノ」から「心」へと逆転しました。ものの豊かさを求めていた時代は「蓄える」ことが重要になっていましたが、今後は無形財、情報や知識を「惜しみなく与え合う」ことのほうが重要になってくるでしょう。

~財団コラムより~

その他関連キーワード:

  • Well being
  • 自分を見つめ直す
  • 人との関係性を大事にすること
  • 地域のことは地域で考える
  • 若者が参加したくなる
  • 「良く生きる」ことを保障する
  • 相手を認める関係

  • 社会的動物
  • 助け合い、分かち合う
  • 恩送り
  • 人間自体への関心
  • 議論する公衆
  • 心の豊かさ
  • 情報や知識を惜しみなく与え合う
  • 公益的な目的を持った組織が新たな事業の開発を


主役・価値

キーワード:子どもたちからお年寄りまで

良い社会を作った結果、私たちは100年生き延びるまた生き抜ける社会を作ってきたということであれば、「この人生100年をどう生きるか」といったことを基本に考えていく必要はあったのではないのでしょうか。そのときにやっぱり大事にしたいのが、この社会の持続可能性ということです。次の世代のことをどうするのかといった事を皆で考えながら、そこに高齢の方々も関わり、参加をしてくる。そして、一緒になってこの社会を作っていくという形で、社会のあり方を組み替えていかなきゃいけないのでしょうか。これから社会は子供達自身も主役になっていけるような社会。その社会では新しい価値を作り出すことによって、大人達の価値観を揺さぶるような、そういう存在でもあるのだと思います。

~財団コラムより~

その他関連キーワード:

  • 子どもたちの目線
  • 自分たちが経営者
  • 新しい価値、誇り、幸福度を高める


媒介項としての言語

キーワード:雑談文化

いわゆる「おばちゃんたちの世間話」今日本では無くなってしまった雑談文化、「ただ居心地がいいだけの場所」がもっとあっても良い。また、昔のようにちょっとしたみんなが集まり、ごちゃごちゃなんでもいいから話をしているうちに、気がついたら事が調整できていたみたいな場所というのはもうなくなってきてしまっているので、それが特に厳しい孤立ということになると、問題が起こったりするのではないか。

~財団コラムより~

その他関連キーワード:

  • 雑踏
  • 言葉を使って社会との関わりを結び直す
  • 楽しい対話→共感・信頼→志の共有


学び=AAR循環 動的関係性

キーワード:開放系の試行錯誤

Anticipation、予期する。そこには良き未来を構想し、わくわくしたり、ニヤニヤしたりするという意味が込められています。そういう未来を予期して、やってみて(Action)、少し振り返って(Reflection)、また新しいことを考えてやっていく。わくわくしながら次へ、次へという循環が駆動されていく。そこには評価も批判もありません。振り返って、次にどうしようか、と新たな考えや予期が生まれてくることにつながっていくのです。そういうものの中に入り込んでいくことが「学ぶ」ということ、そして自分の人生をつくっていくことなのではないでしょうか。

~財団コラムより~

その他関連キーワード:

  • やりながら考える
  • つくる 創造プロセス
  • 人間的能力を引出すための栽培型教育
  • 単なる社会貢献を超える

空間

キーワード:第3の場所(サードプレイス)

我々の世界で普通に働いている人たちは会社の中で仕事上の話やコミュニケーションをし、家に帰って家庭の中で奥さんあるいは子供と話をする。もうひとつの場所として第三の場所、いわゆるサードプレイスみたいなのはなかなかないと思います。単に同僚と居酒屋に行って上司の愚痴を言うとかそういうことではなく、もっとこの社会の共通の課題について話しあうことについて真摯に向き合って話し合う空間というのは、辺り見渡してみるとあんまりないなという気がします。

~財団コラムより~

その他関連キーワード:

  • 排除されない空間
  • 否定されない場
  • 居場所
  • 居酒屋
  • イノベーション創発の場としての公共空間

無形財

キーワード:つながり-土木インフラ

みんなが「誰かがやるよね」って思っている限りは成立しなく、みんなが「自分がやろう」と思えるような関係をつくっていくことが大事。

~財団コラムより~

その他関連キーワード:

  • コモンズ
  • ファウンテン効果
  • 与え合う
  • 「物」から「心」へと逆転する

個人の力

キーワード:ポジティブヘルス、ポジティブ○○

ポジティブヘルスの健康は、困難な状況に立ち向かう能力です。ポジティブヘルスを導入することによって自分が臨界点に来ている、もしくは臨界点を超えてしまったということが自覚できるようになり、そのベストパフォーマンスができる場所に戻れる。そういった作用があるのではないかと思っています。

~財団コラムより~

その他関連キーワード:

  • 色んな仕事ができる多能工
  • 困難な状況に立ち向かう能力
  • 答えのない問題に立ち向かう能力
  • 人間の能力


社会

キーワード:自分自身の生き方にイノベーションを起こす

人生100年社会というのは子供からお年寄りまで皆が生きていく、そういう能力を身につけて行かなければならないと思います。その意味でのキャパシティビルディング、いわば自分自身の生き方にイノベーションを起こすような、そういう力をつけていくということが必要ですし、そのための学びの構造というのを子供たちからお年寄りまで含めて作り変えていくということが必要ではないかと思います。それを支えるような社会組織というのを考えていかなければならないのではないかと思います。

~財団コラムより~

その他関連キーワード:

  • 良き未来の構想
  • 行動型研究者
  • ソーシャル・イノベーション


楽しい

キーワード

  • わくわく ニヤニヤ
  • それぞれの社会的な役割
  • 何が楽しいのか
  • 社会が楽しくなる秘訣